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Vol.3 「いただきます」  

先日、料理研究家の木村まさ子氏の講演を聴いた。
「食とことば ~「いただきます」と「ごちそうさま」に心を込めて~」が彼女の選んだテーマであった。「いただきます」・・・みなさんは食事前に必ず言っていますか? 私自身、家族や何人かと食事したりする時は言っているが、職員食堂で一人で食事するときなどまず「いただきます」は言っていない。
「いただきます」に込められた気持ってなんでしょう?食べ物や食べ物を作ってくれた人への感謝の気持ち、これらが「いただきます」であろう。人は食べないと命をつなげない。しかし、自身の命をつなぐために別の命が失われていることに思いを馳せる人はいるだろうか?美味しいステーキ、この肉を作るために畜農家は大変に苦労して牛を育て、愛情を込めて育てた牛を殺して初めて私たちが食べることが出来る。そこまで思いを巡らせて食べているだろうか・・・彼女は時々そんなことに思いを馳せて、心を込めて「いただきます」と言ってくださいと語った。

2010/08/31

また、「当たり前と思っていると感謝しなくなる」と彼女は指摘した。まさにその通りである。お金さえ出せば美味しい肉も食べられるし、美味しいお酒も飲める。しかしそのためにいくつもの命が失われていることに感謝すべきである。
 「当たり前と思っていると感謝しなくなる」・・・これは何も食べ物だけの話ではないだろう。世の中便利になり、以前は苦労していたことも当たり前に出来るようになり、人は感謝の気持ちを失いつつある。救急医療もそうではないか。以前なら夜中に診てくれるだけでも医者は感謝された。しかし、それではいけないと救急医療体制を整え、いつでも誰にでも公平に医療が受けられるようになってきた。その反面、夜間の「コンビニ受診」、「モンスターペーシェント」などが問題となってきた。それらが、医療者を救急医療から徹底させ、危機管理の名のもとに萎縮医療に進む大きな一因となっているのではないか・・・。人々は今一度「当たり前」のことに感謝する気持ちを思い出さなくてならない。
さあ、皆さん、今日から心を込めて「いただきます!」と言いましょう。そして、笑顔で「美味しかった!」、「ありがとう!」と。